してしまった後悔としなかった後悔ではどちらが悔しいか

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【ケース1】
佐藤さんはS商事の株を保有している。
昨年、S商事の株を売ってM物産に乗り換えようか迷ったが、結局しなかった。

もしM物産に乗り換えていれば100万円得していた。

【ケース2】
鈴木さんはS商事の株を保有している。
昨年、M物産の株を売ってS商事に乗り換えたのだ。

もしM物産の株を売らなかったら100万円得していた。

してしまったことに対する後悔

トレーダーの方にとっては、よくある話でしょうけど。
多くの人は佐藤さんより、鈴木さんのケースのほうが悔しいと感じます。

佐藤さんがしなかったことを悔やんでいるのに対して、鈴木さんはしてしまったことに対して悔やんでいるからです。

人は機会損失よりも、実際に行動を起こして失敗してしまったときに、より大きなダメージを食らいます。

佐藤さんも鈴木さんも、100万円を儲けそこなったという結果は一緒ですが、積極的に行動した鈴木さんのほうが、精神的にこたえるのです。

現状維持バイアス

よほど今の状況が悪くなければ、人は現状維持を好みます。
これを行動経済学で現状維持バイアスといいます。

誰だって後悔をして、嫌な思いはしたくありません。
だから後悔を避けるために、状況を変えようとせずに現状を維持しようとするのです。

後悔回避

人はどうにかして後悔を避けようとします。

後悔の念が強い分、過去を美化し今の自分を責める傾向がある三井寿も同じです。

でも逆に、後悔はしたくない!という思いが強すぎると、誤った意思決定をもたらすこともあります。

今までの人生で最も後悔したこと

「20年たてば、したことよりもしなかったことを嘆くようになる」

小説家マーク・トウェイン

この名言にもあるように、人は短期的にはしたことを悔やみますが、長期的にはしなかったことを後悔するのです。

お年寄りの方に、「今までの人生で最も後悔したことは何ですか?」と尋ねると、たいていの人はしたかったのにしなかったことを挙げます。

あれだけ嫌いだった勉強も歳を取ると、「もっと勉強しておけばよかった」と思うようになります。

まだ初心だったあの頃、「勇気を出して告白すればよかった」と大人になってから思うものです。

後先考えずに思いつきで行動するのは好きではありませんが。
後悔するのを避けてばかりいないで、もう少し積極的に行動できるようになりたいものです。

サイコロを100回振ったときに1が20回以上出る確率

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確率Pの事象がr回起こる確率は、以下の公式で求められます。

nCr×P^r×(1-P)^n-r

おっと、ページを閉じないで!(笑
上のややこしい公式の解説はのちほどにして、まずはExcelで答えを求めてみましょう。

BINOMDIST関数の使い方

二項分布の確率を返す
BINOMDIST(成功数、試行回数、成功率、関数形式)

成功数はここでは20回、試行回数は100回としています。
成功率は1/6です。

関数形式には累積分布関数(成功数の回数以下になる確率)と、確率質量関数(成功数の回数だけ成功する確率)があります。

サイコロを100回振ったときに1が20回ぴったり出る確率
BINOMDIST(20,100,1/6,FALSE)=6.79%

サイコロを100回振ったときに1が20回以下の確率
BINOMDIST(20,100,1/6,TRUE)=84.81%

つまり、サイコロを100回振ったときに1が20回以上出る確率は
1-BINOMDIST(19,100,1/6,TRUE)=21.97%

1の目が出現する割合

頻度
※クリックすると画像を拡大します

こうしてみると、15~17回の確率が高く、1の目が30回以上出ることはほとんどありませんね。

コインを100回投げて表が60回以上出る確率は?

おさらいです。
次はコイントスを例にあげてみましょう。

先ほどと同じように、BINOMDIST関数を用いて計算します。

コインを100回投げて表が60回以上出る確率
1-BINOMDIST(59,100,1/2,TRUE)=2.84%

思ったより少ないな?というのが正直な感想です。

ということは、コインを100回投げて表が出る回数は、ほとんどが40~60回の範囲に収まるといえます。

勝率60%以上のシステム

とはいえ、純粋に2分の1であるコイントスでも、100回中60回以上、表が出ることが2.84%の確率で起こるのです。

試行回数が100回程度では、このくらい偏るのが普通です。

システムトレーダーは数万回という検証作業をします。

すると優位性のない戦略にもかかわらず、バックテストで勝率60%以上だった戦略をたくさん見つけてしまうのです。

最適化という名の「数合わせ」をすれば、勝率60%以上のシステムは量産できます。

こんなものに引っかからないように、正しい確率の知識を身につけておきたいものです。

公式の意味

冒頭であげた公式の意味を簡単に書きます。
nCr×P^r×(1-P)^n-r

nCrは、n個からr個を選ぶ組み合わせ(コンビネーション)の公式です。

n!÷r!(n-r)!のことで、n!は異なるn個のものを順番に並べるときの並べ方。
たとえば4!は4×3×2×1です。

もっと詳しく知りたい方は、「順列 組み合わせ」「パーミテーション コンビネーション」などでググってみてください。

無責任?
いやいや、ここではあくまでもExcelでの確率の求め方を説明したかっただけなので、その点をご了承ください。

Excelで#DIV/0!エラー。数字を0で割ってはいけない理由

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Excelで計算をしていると、しばしば#DIV/0!というエラーが出ることがありますよね。

これはゼロ除算を行ったときに起こります。
ゼロ除算とは、0で割り算をすることです。また、分母が0の場合のこともいいます。

なぜ0で割り算をしてはいけないのか?

小学高のときに習ったことだと思いますが、なぜ0で割ってはいけないのか?

学校でそう習ったから、というだけで、理由をちゃんと説明できる人は少ないと思います。

そんな素朴でありながら、数学ではけっこう重要な疑問を解決してみましょう!

割り算とは

そもそも割り算とは、どんな計算でしょうか。

割り算は、「ある数が他の数の何倍であるか」を求める計算、ということもできます。

たとえば12÷3は「12は3の何倍か」を求める計算です。

なので「12は3の4倍である」といえます。

0で割る割り算

では、12÷0はどうなるでしょう?

先ほど述べたように、12÷0は「12は0の何倍か?」ということです。

つまり、12=0×?
では、0にどんな数字をかけたら12になるでしょう?

わからないですよね。
それもそのはず、そんな数は存在しないからです。

今度は、0÷0を考えてみましょう。

これも同じように「0は0の何倍か?」
つまり、0=0×?

すると、「?」に該当する数字は無限にあることがわかります!

0×0=0、0×1=0、0×2=0、0×3=0、・・・
よって、0÷0の答えは無数にあるのです。

定義されない計算

上記をまとめると以下のようになります。

a<>0の場合 ⇒ a÷0の解は存在しない

a=0の場合 ⇒ a÷0の解は無数に存在する

よって、a÷0は定義されない

ゼロ除算のように、答えが一つに定まらないものを、数学では計算が定義されないといいます。

Excelで#DIV/0!エラーが出たときの対処法

とりあえず処方箋を、お出ししますね。

m÷n=q
ことのときmを被除数(割られる数)、nを除数(割る数)といいます。

Excelゼロ除算

セルB2に被除数、セルC2に除数が入ってるとき。
セルD2の式を変更します。

【対処法1】
=IF(C2=0,””,B2/C2)

もしセルC2が0ならば、空白を表示しろ。でなければ、B2÷C2を表示しろ。

【対処法2】
=IFERROR(C2/D2,””)

IFERROR関数:式がエラーの場合は、エラーの場合の値を返します。エラーでない場合は、式の値自体を返します。

時と場合、枠組みによってお金の価値は変わる

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今日は大好きなミュージシャンのコンサートがある。

うきうきした気分で会場に近づき、カバンの中をみると、三万円もしたチケットをなくしていた!

はぁ、ショック・・・
あなたはチケットを買いなおしますか?

状況設定の違いで答えも変わる

私だったら唇を噛みしめて、血をダラダラ流しながらチケットを買いなおしますけどね。
だって、せっかく来たんだから、無駄足で帰るのは嫌だもん。

ただ、ほとんどの人はこのようなケースでは、買いなおさないと答えるようです。

しかし、状況設定が変われば答えも一変します。

今日は大好きなミュージシャンのコンサートがある。
まだチケットは買ってない。

うきうきした気分で会場に近づくと、ポケットに入れておいた三万円を落としたことに気づいた!

あなたはチケットを買いますか?

この場合では、ほとんどの人がチケットを買うと答えます。

同じ三万円の損失なのにどうして?

理屈の上では、どちらも三万円の損失です。
その後の選択も、チケットを買うか買わないか、と同じです。

にもかかわらず、正反対の答えが出るのはどうしてでしょうか?

このとき、私たちの頭のなかでは、次のような計算が行われているのです。

フレーム(枠組み)による思考の違い

三万円のチケットと現金三万円をなくした場合、私たちは別物として考えます。
同じ三万円の損失ではないのです。

三万円のチケットは「娯楽費」として分類しているので、娯楽のためにさらに三万円も出費できないと考えるわけです。

一方で、現金を三万円落としたことは、悔しいでしょうが、直接的にコンサートのチケット代とは関係ありません。
なので、出費はかさみますが、名目上は買いやすいのです。

矛盾しているようですが、状況によって私たちは、お金に違う価値を与えているのです。

絶対的な金額ではなく、相対的な価値で判断する

数十円安い野菜を買うために、私たちはわざわざ遠くのスーパーまで足を運びます。

でも、もっと高価な買い物をするとき。
たとえば、パソコンを買い替えるときは、数十円という値段は気にしませんよね。

これが家を買うとなったら、もはや数万円はノイズでしょう。

このように私たちは、お金に相対的な価値を与えるのです。

連言錯誤を起こしやすい「リンダ問題」とは

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友人の旦那さんは、女癖が悪く遊び人で有名。
次のうち、起こる可能性が高いのはどちらでしょう?

A)夫婦喧嘩による離婚
B)浮気が原因で夫婦喧嘩による離婚

連言錯誤とは

個人的に大好きな「リンダ問題」のアレンジです。

思わずBと答えてしまった方。
この問題は、確率的誤りのなかでは、もっとも多いようなので安心してください。僕も最初は間違いました(笑

女癖が悪く遊び人で有名、という記述から、ついBのイメージにぴったりと当てはめてしまいますが、よくよく見るとBはAの部分集合です。

浮気が原因で起こった夫婦喧嘩も、夫婦喧嘩の一部ですよね?
ですからP(A)≧P(B)になります。

にもかかわらず、Bの事象の方が起こる確率が高く感じてしまう誤りを、連言錯誤といいます。

また、このような思考の癖を、行動経済学で「代表制ヒューリスティック」といいます。

リンダ問題のメカニズム

リンダ問題は、詳しく出来事が記述されているほど、間違いを起こしやすいといわれています。

たとえば、旦那さんに関する情報が「会社員」としか書かれていなかったら、Bと答える人は少なくなるでしょう。

会社員という情報から、浮気というイメージは湧かないからです。

この手の問題は一度知ってしまえば、間違うことも少なくなりますが、問題の形式がガラリと変わったときは、また引っかかってしまう可能性もあるので注意が必要です。

それほど私たちは、確率を計算するのが苦手といえます。

おさらい

次の出来事を、起こる可能性が高い順に並べよ。

A)夫婦喧嘩
B)夫婦喧嘩による離婚
C)浮気が原因で夫婦喧嘩による離婚

もう大丈夫ですよね?

合理的な判断をするためには、日ごろから意識して、確率に慣れておく必要もあります。

勘や当てずっぽうだけで、生きてるような人もたまーに見ますが・・・
それだと、ずる賢い奴にカモにされる一方です。

ぜひ、確率・統計に関する正しい思考を身につけて、日常生活や仕事の場で役立ててください。