二つの封筒問題から学ぶ独立事象と従属事象

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二つの封筒、それぞれにお金が入っています。
外見からはわかりませんが、二つの封筒のうち一つには、二倍の金額が入っていることがわかっています。

あなたが一方の封筒を開けると、中には1万円が入っていました。
そのまま受け取ってもいいし、もう片方の封筒と交換することもできます。

さて、どうするべきでしょうか?
数学的な観点から考えてみてください。

期待値の錯覚

封筒の中身が1万円なのだから、もう片方の封筒は5千円か2万円のはずです。

損が5千円なのに対して得は1万円。
期待値を考えると、交換した方がよさそうに感じます。

(5千円+2万円)÷2=12500円

交換した場合の期待値は1.25倍。
よって、交換した方が確率的には正しい。

というのは、多くの人が陥る確率の錯覚です。

二つの封筒のパラドックス

この問題は「二つの封筒問題」と呼ばれています。

確率の錯覚を起こしやすい問題として、モンティ・ホール問題囚人のジレンマとともに、ゲーム理論ではとても有名です。

二つの封筒問題は、数学者の間でも数々の議論が行われてきました。

この問題のポイントは、従属事象にもかかわらず独立事象のように扱ってしまうことで、確率の錯覚を起こすことです。

独立事象と従属事象

独立事象とは、二つの事象が干渉しないことをいいます。

たとえば、2つのサイコロAとBを投げた場合。
サイコロBが1の目を出す確率は、サイコロAの目に影響されず6分の1です。

もちろん前回の目にも影響されません。
サイコロが1の目を出す確率は常に6分の1。これが独立事象です。


対して従属事象は、二つの事象同士が干渉することをいいます。

たとえば、100枚中2枚が当たりのクジを引く場合。
※引いたクジはもとに戻さない

2回目以降のクジは、それ以前のクジの結果に影響されます。

1回目のクジが当たりならば、2回目のクジは99分の1で当たり。1回目のクジがハズレならば、2回目のクジは99分の2で当たり。

このように2回目で当たりを引く確率(事象A)が、1回目で当たりを引くかどうか(事象B)に影響されることを、従属事象といいます。


二つの封筒問題の解説

この問題は解釈の仕方によって解答も異なるようなので、私が一番わかりやすいと思った方法で解説しますね。

まず、封筒の中身をそれぞれx、2xとします。

A)最初に選んだ封筒がxならば、もう片方の封筒は2x
B)最初に選んだ封筒が2xならば、もう片方の封筒はx

封筒を交換した場合、A)はx円の得をして、B)はx円の損をします。

e=(2x-x)/2+(x-2x)/2=x/2-x/2=0

封筒を交換しても、金額は差し引きゼロ。
つまり、期待値は変わりません。

この問題は先ほど述べたとおり、従属事象です。

くじ引きの例を思い出してほしいのですが、最初に選んだ封筒がXならば、交換した場合は確実にx得をします。
最初に選んだ封筒が2xならば、確実にx損します。それだけの話です。

交換した方がいいかどうかは、最初に封筒を選んだ時点で決まっているのにもかかわらず、自分の封筒の中身をxとして、もう片方の中身を(x/2、2x)と考えてしまうのが誤りなのです。

ドーパミンやノルアドレナリンが減少すると、やる気も失われてしまう

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何か物事を行うときには、精神的なエネルギー(やる気)が必要です。

ところが、ドーパミンやノルアドレナリンという神経化学物質が減少してしまうと、やる気も起きないのです。

ドーパミンとは

脳における神経伝達物質のなかでは、最も知られています。
ご存じの通り、ドーパミンが分泌されると、脳が覚醒して快楽を生じたりします。

人間の精神にとってはとても重要な物質で、動物にはドーパミンは少ないといわれています。

ノルアドレナリンとは

ドーパミンから合成され、ドーパミンと非常によく似た働きをします。

強い覚醒作用があり、気分を高揚させます。
また、交感神経を活発にさせるので、血圧が上昇します。

ホラー映画なんかを観ると、ノルアドレナリンが分泌されるといいます。

神経化学物質とやる気の関係

やる気を起こせば起こすほど、神経化学物質の動きは鈍くなります。

体内で合成されるので、眠ったりすることによって回復しますが、使えば使うほど減っていく、いわば消耗品のようなものです。

つまり、やる気には限界があるのです。
精神的エネルギーを使いすぎると、脳が疲れて、やる気を供給してくれないという状態が起こります。

このように、やる気が枯渇してしまった状態では、作業がはかどるはずもありません。
ですから、上手くやる気をコントロールする必要があります。

シュロモ・プレツニツの実験

「痛みの耐久力に及ぼす希望の効果」として、1999年に以下のような実験が行われました。

一方のグループには何も告げず、「できるだけ我慢してください」と言い、氷水に手をつけさせる。

もう一方のグループには、「これから4分間、氷水に手をつけていてもらいます」と言い、同じように実験をさせた。

二つのグループは、体力も年齢もほとんど変わらない。


このような実験を行った結果、事前に何も知らされていないグループは、ほとんどの人が4分間耐えられなかったのに対して、制限時間を知らされたグループでは、6割の人が氷水に手をつけていることができたのです。

ゴールを設定する

上記の実験からもわかるように、ゴールがわからないと、目標を達成できる確率も低くなります。

逆にゴールがわかれば、脳はそれだけのやる気を供給してくれるのです。

このことから、何か目標を達成するときは、事前にどのくらいのやる気が必要かを、脳に教えてあげるといいでしょう。

また、目標を達成したときにどんなメリットがあるのかも、明確にしておく必要があります。

私たちの脳はとても節約家、悪くいえばケチです。
無駄なことは極力避けたいのです。

ですから、脳と協力して信頼関係を築くことで、よりやる気を発揮することができるといえるでしょう。

コンコルド効果とサンクコスト(埋没費用)の過大視

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「今さらあとに引けるか~!!」

今まで投資したぶんが惜しくて、回収できる見込みはほとんどないのに止められないこと。
これを「コンコルドの誤謬」あるいは「サンクコストの過大視」といいます。

典型的なギャンブルの破滅パターンですね。
ただ、ギャンブルは稀に一発逆転があるから恐ろしい・・・

コンコルドの誤謬とは?

1970年代後半、イギリスとフランスによって行われた、一大国家プロジェクト。

イギリスとフランスの共同開発による、超音速旅客機「コンコルド」は、開発の途中で、たとえ完成しても採算が取れないことが予測された。

しかし、それまでに投資した金額があまりにも大きかったため、開発を中止することはできなかった。

結局、コンコルドは完成したが、赤字はさらに膨らんでしまった。



合理的に考えれば、開発を中止した方が将来の利益に繋がる。
でも、これだけ投資したコンコルドを、今さらスクラップにすることはできないしたくないと考えてしまう。

この出来事から、過去の投資が将来の行動に影響を与えることを、コンコルドの誤謬やコンコルドの誤り、コンコルドの錯誤などと呼ぶようになりました。

サンクコストの過大視

コンコルド効果と同じ意味です。
投資したコスト(費用)が大きいと、損失回避の傾向から、非合理的な選択をしてしまうこと。

コストはお金だけとは限りません。
ある意味ではお金よりも貴重な「時間」もそうですね。

「これだけ頑張ったんだからんだから、今さら止められるか」

確かに、一時的に後悔を軽減してくれる、という意味ではこの考え方も一理あります。
全力を尽くして最後までやり遂げた行為は、後悔の感情を和らげてくれるからです。

「初志貫徹」のように、一度決めたことは最後までやり遂げることが美学ともされてますしね。

しかし、明らかに見込みがない場合は、そこで断念すること。勇気ある撤退もときには必要です。

サンクコストの呪縛から逃れるには

こんなケースを考えてみてください。

明日は楽しみにしていた旅行。
しかし、残念ながら記録的な大雪が降るらしい。

旅館のキャンセルは不可。
それなりの金額だったのに・・・

さて、どうしますか?


この場合、ほとんどの人は旅行に行くと答えるようです。
当日は大雪で何もできないのにもかかわらず・・・

これもつぎ込んだ費用が惜しくて、誤った判断をしてしまう典型的な例です。

家でゆっくりしていた方が遥かにいいのに、宿泊費用が惜しくて無理やり出かけてしまう。
気持ちはわからなくもないですが。

この場合、こんなふうに考えてみてはどうでしょう。

まだ旅館の予約を取っていなかったとしたら、今から旅館を予約しますか?

答えはNoのはずです。
わざわざ雪のなか、好き好んで旅行に行く人はいません。

逆に、お金をもらってでも行きたいない、という人ならいるかもしれませんね。

払ってしまったお金(損失)にクヨクヨ悩むのではなく、今後の利益に目を向けて考えるようにしましょう。

株で塩漬けを止めるには

損失の出ている株をほったらかしにしてしまう。
いわゆる「塩漬け」をしてしまうのも、サンクコストの呪縛によるものが大きいでしょう。

「ここまで持っていたんだから、今さら売れるか!」
といって、自分の買い値に戻った瞬間、すぐに売却する投資家は多いです。

買い値まで戻れば、まだいいですけどね。
戻らなかった場合は永遠に塩漬けです。

保有している株が今後、値上がりする見込みが低いのであれば、その株を売却してしまった方がいいのに。

もちろん、株式の場合はその後の動向がわからない、ということが判断をさらに狂わせるのですが。

ただ、塩漬けにしてしまうくらいなら、そのぶんを他の株式に回した方がよほどいい結果が出ると思いますけどね。

先ほどと同様に、塩漬けをしてしまう癖のある方は、こんなふうに考えてみてください。

もし、この株を保有していなかったら、今この株を買う価値はありそうか?

Yesならそのまま保有すべきだし、Noならすぐに売却するべきです。

今までに費やしたコストを考えるよりも、現時点でこの株は買うだけの価値があるかどうか?
それが一番大事なことなのですから。

してしまった後悔としなかった後悔ではどちらが悔しいか

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【ケース1】
佐藤さんはS商事の株を保有している。
昨年、S商事の株を売ってM物産に乗り換えようか迷ったが、結局しなかった。

もしM物産に乗り換えていれば100万円得していた。

【ケース2】
鈴木さんはS商事の株を保有している。
昨年、M物産の株を売ってS商事に乗り換えたのだ。

もしM物産の株を売らなかったら100万円得していた。

してしまったことに対する後悔

トレーダーの方にとっては、よくある話でしょうけど。
多くの人は佐藤さんより、鈴木さんのケースのほうが悔しいと感じます。

佐藤さんがしなかったことを悔やんでいるのに対して、鈴木さんはしてしまったことに対して悔やんでいるからです。

人は機会損失よりも、実際に行動を起こして失敗してしまったときに、より大きなダメージを食らいます。

佐藤さんも鈴木さんも、100万円を儲けそこなったという結果は一緒ですが、積極的に行動した鈴木さんのほうが、精神的にこたえるのです。

現状維持バイアス

よほど今の状況が悪くなければ、人は現状維持を好みます。
これを行動経済学で現状維持バイアスといいます。

誰だって後悔をして、嫌な思いはしたくありません。
だから後悔を避けるために、状況を変えようとせずに現状を維持しようとするのです。

後悔回避

人はどうにかして後悔を避けようとします。

後悔の念が強い分、過去を美化し今の自分を責める傾向がある三井寿も同じです。

でも逆に、後悔はしたくない!という思いが強すぎると、誤った意思決定をもたらすこともあります。

今までの人生で最も後悔したこと

「20年たてば、したことよりもしなかったことを嘆くようになる」

小説家マーク・トウェイン

この名言にもあるように、人は短期的にはしたことを悔やみますが、長期的にはしなかったことを後悔するのです。

お年寄りの方に、「今までの人生で最も後悔したことは何ですか?」と尋ねると、たいていの人はしたかったのにしなかったことを挙げます。

あれだけ嫌いだった勉強も歳を取ると、「もっと勉強しておけばよかった」と思うようになります。

まだ初心だったあの頃、「勇気を出して告白すればよかった」と大人になってから思うものです。

後先考えずに思いつきで行動するのは好きではありませんが。
後悔するのを避けてばかりいないで、もう少し積極的に行動できるようになりたいものです。

サイコロを100回振ったときに1が20回以上出る確率

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確率Pの事象がr回起こる確率は、以下の公式で求められます。

nCr×P^r×(1-P)^n-r

おっと、ページを閉じないで!(笑
上のややこしい公式の解説はのちほどにして、まずはExcelで答えを求めてみましょう。

BINOMDIST関数の使い方

二項分布の確率を返す
BINOMDIST(成功数、試行回数、成功率、関数形式)

成功数はここでは20回、試行回数は100回としています。
成功率は1/6です。

関数形式には累積分布関数(成功数の回数以下になる確率)と、確率質量関数(成功数の回数だけ成功する確率)があります。

サイコロを100回振ったときに1が20回ぴったり出る確率
BINOMDIST(20,100,1/6,FALSE)=6.79%

サイコロを100回振ったときに1が20回以下の確率
BINOMDIST(20,100,1/6,TRUE)=84.81%

つまり、サイコロを100回振ったときに1が20回以上出る確率は
1-BINOMDIST(19,100,1/6,TRUE)=21.97%

1の目が出現する割合

頻度
※クリックすると画像を拡大します

こうしてみると、15~17回の確率が高く、1の目が30回以上出ることはほとんどありませんね。

コインを100回投げて表が60回以上出る確率は?

おさらいです。
次はコイントスを例にあげてみましょう。

先ほどと同じように、BINOMDIST関数を用いて計算します。

コインを100回投げて表が60回以上出る確率
1-BINOMDIST(59,100,1/2,TRUE)=2.84%

思ったより少ないな?というのが正直な感想です。

ということは、コインを100回投げて表が出る回数は、ほとんどが40~60回の範囲に収まるといえます。

勝率60%以上のシステム

とはいえ、純粋に2分の1であるコイントスでも、100回中60回以上、表が出ることが2.84%の確率で起こるのです。

試行回数が100回程度では、このくらい偏るのが普通です。

システムトレーダーは数万回という検証作業をします。

すると優位性のない戦略にもかかわらず、バックテストで勝率60%以上だった戦略をたくさん見つけてしまうのです。

最適化という名の「数合わせ」をすれば、勝率60%以上のシステムは量産できます。

こんなものに引っかからないように、正しい確率の知識を身につけておきたいものです。

公式の意味

冒頭であげた公式の意味を簡単に書きます。
nCr×P^r×(1-P)^n-r

nCrは、n個からr個を選ぶ組み合わせ(コンビネーション)の公式です。

n!÷r!(n-r)!のことで、n!は異なるn個のものを順番に並べるときの並べ方。
たとえば4!は4×3×2×1です。

もっと詳しく知りたい方は、「順列 組み合わせ」「パーミテーション コンビネーション」などでググってみてください。

無責任?
いやいや、ここではあくまでもExcelでの確率の求め方を説明したかっただけなので、その点をご了承ください。