株(為替)は長く保有すればするほどリスクが増える?【ボラティリティと期間】

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当たり前のことを長ったらしく書いたタイトルですが、スイングトレードや長期投資はデイトレードに比べて、実際どのくらいリスクが高いのでしょうか?

【答え】
保有した期間の平方根倍リスクが増える。
つまり9日間保有すると、一日だけ保有するのに比べて3倍リスクが高まる。

えっ、まじ?
今日はそれを検証してみたいと思います。

あっ、最初に言っておきますが「デイトレードは危険だから、優良銘柄を長期投資した方が健全で安全だよ」というようなお話ではありませんのであしからず。

仮にソニーを買った場合。
一日だけ保有するのと10年間保有するのでは、10年間保有した方がリスク≒損失が大きくなる可能性は高いでしょ、ということです。

ソニーの明日の株価は、せいぜいプラスマイナス数%といったところでしょう。
でも、10年後の株価は予想もつきませんよね。
数倍になってるかもしれないし、数十分の一になってるかもしれない…

リスク(ボラティリティ)は期間の平方根に比例する

冒頭で述べたように、金融の教科書なんかにはリスク(ボラティリティ)は期間の平方根に比例すると書かれています。
これがどういうことかをできるだけ噛み砕いて説明したいと思います。

まずリスクとは何か?
ここでは、損失の可能性をリスクと呼ぶようにします。

ちなみに金融の世界では、確率・統計で予測できるものをリスク。
何が起こるのかすら予想できないものを不確実性と呼び分けていたりします。

厳密にはマーケットで起こるほとんどの出来事は不確実性なものだと思いますが、ここでは数学的観点からリスクを求めてみます。

 icon-check-square-o ボラティリティとは?

では次に、ボラティリティとは?
よくボラティリティが高いと危険だと言われます。

ここでは価格の変化率の標準偏差をボラティリティとします。
以下に簡単に説明します。

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B列がドル円の日足データ(終値)です。
C列が変化率=当日終値÷前日終値-1です。

そしてD列が日次変化率(20日間)の標準偏差です。
ここではSTDVEP関数を使って求めました。

これがどういうことかというと、ドル円の一日の変化率は約70%(正確には68%)の確率で、±1σ(±0.35%)の範囲に収まるでしょう。
つまり、ドルの下落率が▼0.35%を超えるのは、およそ15%くらいだということです。

±2σ(±0.70%)の範囲には、95%の確率で収まります。
±3σの範囲には99.7%の確率で収まるので、▼3σを超えるような暴落は稀といえるでしょう。

そして、ボラティリティが高ければ高いほど、変動率も大きくなるので、当然リスクも高くなります。

では、どのくらい高くなるの?
しつこいようですが、ボラティリティは期間の平方根に比例します。

2日保有したら1.41421356倍。
4日保有したら2倍、9日保有したら3倍。

一年保有したら、250の平方根(√250)倍リスクが増えます。
※一年の営業日を250日とする

その証拠がこちらです。

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先ほどのドル円の日足データ(4年分、1056営業日)を使った求めたものです。

一日の変化率の標準偏差は0.56%
9日の変化率の標準偏差は1.65%

2.96≒3倍と見事に理論値通りになりました。

以上、数学上のお話です。
実際のマーケットがこうならないことは読者の方は百も承知だと思いますが、リスクの許容範囲などを決める際には覚えておいて損はないと思います。

勘に頼った数字よりは、数学的な根拠があった方が心の拠り所にはなります。

だからといって、今日の負けが納得いくわけではありません。

後場に何があったんだよ <黒田バズーカ―
マーケットでは、3σを超えるような出来事なんて普通だよ…